バイクの知識を肥やす

ARASとは

ARASとはどんなもの?

ARASとは「アドバンスト ライダー アシスタンス システム」の頭文字を取ったもので、バイクの安全運転をサポートするためのシステムのことです。
安全運転をサポートするシステムに関しては、2000年代に入るころからおもに四輪車の分野で導入が進んできました。
電子機器の技術の進歩と足並みを揃えるようにして高い性能・機能を備えた電子デバイスが導入されるようになり、それ以前とは比較にならないほど安全性能が向上しています。

バイクの分野においてもこうした点は進められており、続々と優れた安全性能を備えたモデルが登場しています。
ARASとは、そんな安全運転をサポートするシステムにおいて最先端とも言える技術を取り入れたシステムと言います。
このARASのシステムには、光学式のカメラや超音波ソナー、ミリ波レーダーなどを精密な効きを搭載、さらにそれらの機能を組み合わせつつドライバーの安全運転をサポートする仕組みが設けられています。

2013年にボッシュ社によってこのARASの開発が開始され、2019年には日本の公道での実証実験を行うなど綿密な検証が行われたうえで市場に投入、現在ではさまざまなメーカーがこのARASを搭載したモデルを販売しています。
例えば2022年には、カワサキがNinjaシリーズにこのARASを搭載したモデルを搭載しています。

ARASのメリットとは?

このARASを開発したボッシュ社では「ライダーに危険をいち早く伝えること」と「ライダーの快適性を高めることで安全性を高めること」を大きな柱としており、この2つの実現を目的としたうえで最新の技術をARASに搭載しています。
そんなARASの機能がライダーにもたらすメリットとしては、死角検知機能が挙げられます。
ミラーの死角に入った車両を検知したうえで、ディスプレイに表示するなどしてライダーにいち早く知らせることができます。
走行中に突然視界に車両が入ってきてヒヤリ!といった事態を避けることができるのです。

それから衝突予知警報装置も注目です。
センターが感知した情報をもとにシステムが衝突の可能性をいち早く判断するもので、ライダーが気づかないまま衝突の可能性が高まった場合には回避動作を促す機能が働きます。
長時間のツーリングなどで心身の疲労で集中力が低下しているときにも、この装置によって衝突・激突のリスクを最小限に抑えることが可能です。
さらにもうひとつ、前走車を通称するACC(アダプティブクルーズコントロール)の機能も注目です。
全走車との車間距離を適切に維持しながら速度の加減速を支援するシステムで、高速道路での走行でとくに威力を発揮します。

こうしたメリットを備えたARASを搭載することで、バイクの運転がより安全・快適になります。
これからバイクの購入を検討している方は、この装置が搭載されているかどうかも比較検討の材料にしてみてはいかがでしょうか。

ヤマハ『トレーサー9 GT+』とは

ヤマハ初のACCが登場!

ヤマハの「トレーサー9 GT+」は、スポーツツーリングモデルとして開発されたバイクです。
このモデルの最大の注目となっているのが、ヤマハでは初めてとなるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されている点です。
このACCは安全な運転を支援するための機能のことで、専用のセンサーを搭載したうえでCPUと連動しながらアクセルとブレーキ操作の両方を自動的に行うことができます。

スポーツツーリングモデルともなると高速での運転の機会も多くなり、しかも長時間の移動による疲労で集中力が低下することもあります。
このACCはそうした状況でも安定・安全な運転を可能にし、事故のリスクを最小限に抑えることが可能なのです。
さらにこのトレーサー9 GT+では、加えて新型のユニファイドブレーキシステム、ACCの機能を高める「ACC作動専用モード」が設けられた電子制御サスペンションなども搭載されています。

トレーサー9 GT+の主な機能について

まず気になるのがACCの機能ですが、他社との差別化を意識しているのか、従来のACC搭載のバイクに比べて加減速制御が非常になめらかになっており、安定した走行を実現しています。
さらにACC作動専用モードを設けた電子制御サスペンションではフラッタな走行を可能にしており、速度や運転状況を問わずに安定に、かつライダーへの負担を最小限に抑えることができます。
安全性を重視するなら減速時のスムーズさが非常に重要なポイントとなりますが、このトレーサー9 GT+ではその点申し分なし、加えてスピードを落とした状態から加速する時の立ち上がりにおいても非常に高い評価を得ています。

さらに新形状のハンドルスイッチでは、ライダーがACCの機能を最大限に活用するための工夫が随所に設けられています。
増速/減速ボタンによってスムーズに車速設定ができるほか、車間時間の設定も専用ボタンによって行うことができます。
ハンドル操作に影響を及ぼすこともなく、しかも冬場などで厚手のグローブを装着しているときにもスムーズに操作できるボタン配置も魅力です。

ブレーキシステムは電子制御化されており、ブレーキの高い精度を実現しているほか、もしライダーのブレーキ操作が状況にふさわしくないと判断した場合にアシストする機能が作動してよりスムーズな減速する仕組みになっています。
メーターにはスマホとも連動可能な高輝度7インチのTFTメーターを採用、見やすさと使い勝手の良さの両面でレベルアップが見られます。
スポーツモデルとしての爽快感を備えつつ、安全な運転をサポートするための最新の技術をぜいたくに盛り込んでいるのがこのトレーサー9 GT+の大きな特徴です。
ヤマハ発のACC搭載モデルにふさわしい魅力と性能を備えている、と評価することができるでしょう。

ACC(アダプティブクルーズコントロール)とは

ACCでロングツーリングの疲労度が変わる

ACCというのはアダプティブクルーズコントロールのことで、いわゆるバイクの自動運転支援装置のことです。
アクセルを回さなくても自動的に速度を調整してくれる電子制御システムとなっています。

スピードコントロールだけでもすごい機能ですが、ACCはさらに一歩進んだ先進的なシステムを指します。
ACCはスピードを自動でコントロールするだけでなく、ミリ波レーダーが前方の車両を確認して、自動的に適切な車間を保つよう制御してくれる装置です。
スピードコントロールに加えて車間距離も適切に保ってくれるので、追突などのリスクを抑え、安全走行を支援してくれる画期的なシステムです。

車にはすでにACCを標準装備したものが続々と登場し一般的な装備になりつつありますが、バイクでもACCが開発され、オプションで搭載できるようになりました。
すでにいくつかのモデルでは搭載可能になっているので、今後はより身近な安全装備になっていくことでしょう。
またバイクは自動車のようにワイパーがないため、降雨の状況では前方をカメラで捉えるのに安全性に欠けてしまいます。
そのため専用のミリ波レーダーを搭載することで、ACCを実現しています。

これまでのクルーズコントロールでは、前方の車両との車間距離はライダー自らが確認し、速度を落としたり、ブレーキをかけたりする必要がありました。
ACCの場合は全てレーダーが前方の状況を把握して判断してくれるので、原則やブレーキ、スピードの回復などは全てコンピューターが行なってくれます。
ライダーはハンドル操作に集中するだけで良いので、ロングツーリングでの疲れ具合がかなり変わってきます。

ACC搭載のバイクに乗るメリット

ACCは前方の車両との車間距離を自動的に保ってくれるので、安全に走行できるというメリットがあります。
疲れているとブレーキをかけるのが遅れてしまうこともありますが、ACCがあれば速度の減速などは全てセンサーが判断してくれるので、事故のリスクが大幅に低減されます。
センサーによる判断は安全を第一に考えたもので、スピードが上がると、それに合わせて車間距離も自動的に伸びるように判断してくれます。

もう一つのメリットは、長距離走行におけるストレスの軽減です。
長距離を走行する場合、長時間運転に集中する必要があり、スピードも自分で制御しなければいけません。
ACCはライダーがこれまで行なってきた動作を代わりにしてくれるので、その分だけ運転は楽になりますし、運転により集中できるようになります。
安全運転に貢献してくれる装備なので、実際に使ってみると遠出の際にとても助かると感じるでしょう。

ホンダスマートフォンボイスコントロールシステムとは

HSVCSとは

運転中のスマートフォンの操作は、道路交通法違反になるだけでなく交通事故の原因にもなるため絶対にしてはいけません。
しかし、スマートフォンは生活に必要不可欠なツールとなっている現在、運転中にスマートフォンを操作できるシステムの開発は急務となっています。
バイクメーカー各社がスマートフォンとバイクを接続できるシステムの開発を行なっていて、実際に活用できるようになっていますが、ホンダもその一つです。

ホンダが開発したスマートフォンとバイクを連携されるシステムとは、HSVCS(ホンダ・スマートフォン・ボイスコントロール・システム)です。
このシステムはスマートフォンとバイク同士をブルートゥースによる無線接続を行い、スマートフォンのアプリを操作できるようにしたシステムです。
操作といっても、バイクの運転を妨げることなく行えるようになっているため、道路交通法を遵守し安全に操作できるようになっています。

操作は、ハンドル部分に設置された操作パネルを利用して行います。
HSVCSの操作スイッチはハンドルの左側にあり、4つのシンプルなボタンで構成されています。
矢印ボタンでアプリを選択し、エンターをプッシュするとアプリが起動します。
あとは音声認識機能を利用して、利用したいアプリを操作するだけの簡単な操作です。
問題はスマートフォンがロックされてしまった場合ですが、HSVCSはロックを解除できる機能を搭載しているため、画面がロックしても安全にロックを解除しスマートフォンのアプリにアクセスできるようになっています。

メリット

HSVCSを利用するメリットとして、例えばメールなどのメッセージをバイク運転中でも確認できます。
このような機能がない状態でスマートフォンを操作するためには、一旦バイクを停車して、スマートフォンを操作する必要が出てきます。
家族から何か帰りに買ってきてと頼まれた場合、すでにナビの目的地を設定している場合は、目的地を変更する操作も必要です。
HSVCSはこれらの操作を全て走行中でもできるようにしています。

これ以外にも、電話をかけたり受けたりできますし、お気に入りの音楽を走行中に聴くといったこともできます。
ロングツーリングなどで音楽を聴きながらツーリングが楽しめるというのは、とても嬉しい話です。
グループでツーリングをしている場合、HSVCSを活用すれば他のメンバーとスマホで連絡が取り合えるので、途中どこで休憩するかとか、目的地を変更する場合、どのルートを走るかといったことも決められます。
そのナビの設定まで走行中に完結できるようになるのは、ライダーにとって魅力的な機能と言えるでしょう。

HSVCSは、これまでのバイクとスマートフォンとの関係を塗り替える画期的な技術です。
バイクで活用することで、その利用価値が体感できるでしょう。

スーパースポーツに採用されるウイングレットの効果とは

F1のような羽が付いた

2016年ごろからMotoGPのマシンに取り付けられることが多くなって注目を集めたのが、ウイングレットです。
中にはかなり大型の羽を取り付けたモデルも出てきました。
一見するとF1マシンのようなフォルムをしています。

登場してしばらくは接見したのですが、その後レギュレーションが見直されました。
ウイングの制限が厳格になったため、今ではレースシーンでは控えめなものになりました。
レースシーンではかなりおとなしくなりましたが、市販のバイクに導入され始めています。

ウイングレットを導入するメリット

なぜこのようなウイングが取り付けられるようになったのか、それはダウンフォースを確保するためです。
マシンのフロント部分を押さえつけることで、フロントタイヤが跳ね上がりにくくなります。
タイヤが跳ね上がるのは加速したと気なので、スムーズな加速ができます。

さらにダウンフォースがアップすることで、コーナリングするときに挙動が乱れにくくなります。
車体が安定することでコーナリングスピードを必要以上に落とすこともなくなります。
タイムロスが減らせ、ラップタイムの向上が期待できるわけです。

ウイングレットを嫌うライダーも

MotoGPシーンではウイングレットがもはや必須のものとなりました。
レギュレーションによって大きなものは取り付けられなくなりましたが、それでも多くのチームが取り付けています。

しかし中にはそのフィーリングを嫌う人もいるようです。
ウイングレットによってダウンフォースが格段にアップします。
するとライダーによっては、ハンドリングが重たいと感じる人もいるようです。
このため、ウイングレットのないものやあっても小さなマシンに好んで乗る選手も見られます。

市販モデルでも取り入れられつつある

現在ではレースシーンだけでなく、市販モデルでも徐々に搭載されているものが出てきています。
例えばドゥカティ・パニガーレV4Rの2019年バージョンです。
こちらには2016年にレースに投入されたモデルのデスモセディチGP16をモチーフにしたウイングが搭載されています。

その他にはカワサキのニンジャH2Rもウイングレット搭載車種です。
もともとウイングレットは翼端板という航空業界の言葉でした。
飛行機には多く取り付けられているシステムで。それをオートバイに応用したわけです。

そこでカワサキではウイングレットを開発するにあたって、川崎重工業の航空機部門の協力を得ました。
飛行機で培ってきたノウハウを採用することで、安定感のある走りが実践できるようになりました。
このように今後のモデルにはウイングレットの搭載されたものがどんどん出てくるかもしれません。

ノークラッチシフトを電子的に行うクイックシフター

ノークラッチシフトとは何か?

オートバイのレースが好きな人であれば、ノークラッチシフトという用語を聞いたことのある人もいるでしょう。
アクセルを一瞬戻し、その間にシフトアップします。
そしてまたすぐにアクセルを開けるドライビングテクニックです。

加速をする時そのままシフトアップすると、どうしてもタイムロスが発生します。
しかしノークラッチシフトをすれば、ロスを最小限に抑制できます。
そうしてタイムアップするロードレースにおけるテクニックです。

従来ノークラッチシフトは、上級ライダーの技術です。
しかし現在だれでもできるようになりました。
というのもアクセスを戻す作業を電子的にできるような車種も出てきているからです。

クイックシフターとは何か?

このアクセルを戻すのを電子制御で行うシステムのことを、クイックシフターといいます。
電子的にコントロールすることで、さらにスムーズなシフトアップ、加速が期待できます。
結果的に更なるタイムロスを削減できるわけです。

アクセルを開けた状態でシフトアップを行います。
するとセンサーがそれを察知して、点火を一瞬カットします。
これがアクセルを戻しているのと一緒の状況を作り出します。

1990年代後半からオプションもしくは標準装備されたレース用モデルも出現しました。
さらに近年ではさらなる進化を遂げています。

例えばシフトダウン時も同様に電子制御できるようなものです。
コーナリングする際には寝かし込みやブレーキングだけに集中することができ、ミスを誘発しにくくなりました。

クイックシフターのあるメリット

クイックシフターがあることで、アクセルを開いたり戻したりといったことをする必要がないのはメリットです。
ライダーとして見れば、作業量が少なくなります。
それでいてスムーズなシフトアップができ、円滑な加速ができるわけです。

また近年ではシフトダウン時にも電子コントロールできるモデルも出現しています。
こちらを運転すれば、バイクの傾きやブレーキングだけに集中できます。
コーナリングしたときの負担が軽減され、ドライビングミスも生まれにくいのは魅力です。

クイックシフターの搭載されているモデル

クイックシフターの搭載されているモデルの中で有名なのは、ホンダのCBR1000RR SPです。
こちらのモデルには標準装備されているのが特徴的です。

その他にはカワサキのNinja ZX-10R KRT EDITIONにはシフトアップだけでなくダウンの時にも電子コントロールできるシステムを導入しています。
コーナリングの時にライダーにかかる負担を軽減できるので人気です。
ホンダの次世代モデルのCB1000Rも同じようなクイックシフターのシステムを導入していて、こちらの機能にも注目が集まっています。

アクセル操作を電子制御するスロットル・バイ・ワイヤ

オートバイの常識を打ち破る画期的システム

従来オートバイのアクセルを操作するとケーブルを介してスロットルバルブが開閉していました。
このオートバイの常識を打ち破ったのが、今回紹介するスロットル・バイ・ワイヤです。

スロットル・バイ・ワイヤの場合、ケーブルがありません。
ライダーがアクセルを操作すると、その情報が電気信号に変換されます。
そしてその情報がECUに伝えられます。
するとほかの情報を総合的に踏まえてアクセル開度が決まって、スロットルバルブを開閉する仕組みです。

ちなみにメーカーによってフライ・バイ・ワイヤやライド・バイ・ワイヤという似た名称で紹介しているところもあります。
しかしいずれも同じ仕組みであると思ってもらって構いません。

メリット

スロットル・バイ・ワイヤを導入するメリットは、運転しやすさです。
アクセル操作を電子制御化できています。
つまりライダーのミスで、アクセルをふかし過ぎても転倒するような心配はありません。

アクセルの動きが大きく変化しても、安全性を考えてスロットルの開き具合をコントロールできます。
ですから無理な挙動の変化を起こしにくくできます。

また路面コンディションが急激に悪化すると、運転しているときにリアがスリップして転倒することもあり得ます。
しかしスロットル・バイ・ワイヤが搭載されていれば、路面状況に応じて自動的にスロットルを閉じることも可能です。
リアが流れないようにコントロールしてくれるので、転倒リスクも低くできるわけです。

安全性が高まりますし、燃費が優れているのもメリットです。
電子的にスロットルの開き具合を制御できるので、無駄にガソリンを消費することもないです。

デメリット

スロットル・バイ・ワイヤは電子制御によって基本的にどのようなシチュエーションでも最適に運転できるようにプログラミングされています。
しかしイレギュラーなシチュエーションの時に対応できないのがデメリットです。
特にスロットルが一定以上に開くことはありません。

日常街中を走行しているときは問題ないでしょう。
しかし変速的なスタイルで運転したければ、向いていないかもしれません。

また電子機器がいろいろと搭載されているので製造コストがどうしてもかかってしまいます。
ですから従来モデルと比較して、値段が高くなってしまうのもデメリットの一つです。

上級者には違和感があるかも

ワイヤーでつながれているオートバイを長年乗ってきた上級者にとって、違和感があるかもしれません。
アクセルをふかして加速しているフィーリングが、電子制御しているスロットル・バイ・ワイヤが出にくいです。

このため特に乗り始めたときには、いつもと違う違和感を覚えるでしょう。
しかししばらくすれば、独特のフィーリングに慣れてくるはずです。
ただしダイレクト感はないので、その部分に不満を覚える人もいるでしょう。

採用されるバイクが増えているスマートキーについて

バイクでも広がりつつあるスマートキー

自動車の中でスマートキーを採用している車種はかなり多いです。
イグニッションに鍵を入れることなく、ボタン一つ押すだけでエンジンが始動するシステムのことです。
実はこのスマートキー、オートバイの世界でも徐々に広がりつつあります。

スマートキーを最初にオートバイで採用されたのは2004年のことです。
利便性に優れているのでスクーターなど、普段乗りをするモデルを中心に広まりました。
最近ではツーリング向けの大排気量や高級モデルでも導入に踏み切るケースも増えてきました。

スマートキーの仕組み

スマートキーについてよくわからない人のために簡単に説明すると、電波通信を利用しています。
鍵と車両に取り付けられているECUで通信を行って、鍵が認識されるとセキュリティが解除されて、車が動き出す仕組みです。

その他にもメカニカルキーを鍵に内蔵している車種も少なくありません。
これを使用すると給油口を開けたり、ハンドルロックを解除したりできます。
ハンドルロックの解除はバッテリーが上がってしまった時などは重宝するでしょう。

メリット

スマートキーのメリットとして大きいのは、自分でいちいち操作する必要のないところです。
ポケットやバッグの中に入れておいて、バイクに一定距離近づけば自動的にエンジン始動できます。
買い物をたくさん持っていて手がふさがっているときなど、手軽に操作できるのは魅力的です。

またセキュリティも従来のシステムと比較すると、格段にアップするのもメリットの一つです。
イグニッションに鍵を差し込む必要がありません。
鍵穴がないので、鍵がなくても勝手に盗まれたり、いたずらされたりするリスクも低くなります。

デメリット

ただしスマートキーでもデメリットはいくつかあります。
まずは紛失のリスクです。

従来方式であれば、例えば拾った人に悪意があってバイクを盗もうとした場合、いちいち近くのオートバイの鍵穴にさしてどれが該当するものか特定しなければなりません。
これはなかなか面倒ですし、周囲に怪しまれるのでなかなか実行するのは難しいでしょう。

ところがスマートキーの場合、歩きながらポケットの中に鍵を入れておけばどのバイクが該当するか特定しやすいです。
ポケットに鍵を入れて、バイクのあるところを通り過ぎるだけで確認できてしまいます。

またスマートキーは電池が動力源です。
もし電池切れしてしまうと、機能を発揮しません。
つまりある日突然エンジンがかからなくなってしまうなどのデメリットもあります。

電池が少なくなると、いつもよりも反応の鈍くなる傾向が見られます。
どうも以前よりも近くならないと反応しなければ、電池の交換を速やかに行うといいでしょう。