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苦手意識を持つ人が多いUターンのコツ

多くのライダーがUターンを苦手とする理由

ツーリング中に道を間違えた時や、狭い路地での方向転換など、Uターンが必要になる場面は意外と多いものです。しかし、ベテランライダーであってもUターンには苦手意識を持っている人が少なくありません。その最大の理由は、極低速でのバランス維持が難しいことにあります。バイクは速度が出ている時はジャイロ効果によって安定しますが、歩くような速度では車体が不安定になりやすく、グラついた瞬間に転倒してしまう恐怖心があるからです。

また、心理的なプレッシャーも大きな要因です。対向車が来ているかもしれないという焦りや、立ちゴケしたらどうしようという不安が体を硬くさせ、スムーズな操作を妨げてしまいます。特にフルカウルのスポーツバイクや重量のある大型バイクに乗っている場合、ハンドル切れ角の少なさや車重の重さがネックとなり、さらに難易度が上がってしまいます。まずは、自分がなぜ苦手なのかを冷静に分析し、焦らずに行動できる心の余裕を持つことが第一歩です。無理に一度で回ろうとせず、足をつきながら切り返しても良いのだと割り切ることで、精神的な負担はずいぶん軽くなるはずです。

目線の運び方とライディングフォームの重要性

Uターンを成功させるための最も重要なテクニックの一つが目線です。バイクはライダーが見た方向に進むという特性を持っています。旋回中に近くの地面やガードレールを見てしまうと、どうしても大回りになったり、バランスを崩しやすくなったりします。Uターンをする際は、これから進みたい方向、つまり自分の背中側を見るくらいの意識で、首をしっかりと回して後方へ視線を送ることが大切です。顔ごと向けることで肩が入り、自然とハンドルも切れて車体が旋回を始めます。

フォームに関しては、ニーグリップをしっかりとして下半身で車体をホールドし、上半身の力を抜くことが基本です。腕に力が入っているとセルフステアリングを妨げてしまい、ハンドルが切れ込む動きを止めてしまいます。また、リーンアウトというテクニックも有効です。これは車体を傾けつつ、ライダーの上半身は地面に対して垂直に近い状態を保つ乗り方で、低速時のバランスが取りやすくなります。小回りを利かせるためには車体をある程度傾ける必要がありますが、リーンアウトなら万が一バランスを崩しても足をつきやすく、恐怖心を和らげる効果もあります。

半クラッチとリアブレーキに操作を集中させる

低速での旋回を安定させるためには、アクセルワークよりもクラッチとリアブレーキの操作が重要になります。アクセルは一定に保つか、あるいはアイドリングのままでも構いません。その状態で半クラッチを使い、エンジンの動力を後輪に伝えたり切ったりしながら速度を微調整します。完全にクラッチを繋ぐと速度が出すぎますし、切ると駆動力がなくなって失速し、転倒の原因になります。必要な駆動力を維持し続けるために、半クラッチの丁寧な操作が求められます。

同時に、右足で操作するリアブレーキを常に引きずりながら走行することもポイントです。リアブレーキを軽く踏み続けることで、チェーンが張った状態になり車体が安定します。また、速度の微調整もクラッチだけで行うより簡単になります。フロントブレーキを使ってしまうと、フロントフォークが沈み込んでバランスを崩しやすく、握りゴケの原因となるため、Uターン中は極力使わないようにします。

広い駐車場などで、目線、フォーム、半クラッチ、リアブレーキの連動を練習してみましょう。これらが無意識にできるようになれば、公道でのUターンも恐れることはありません。

エンジンの調子を左右するプラグ交換

小さな巨人スパークプラグの役割と重要性

バイクのエンジンが動くためには、良い混合気、良い圧縮、そして良い点火の3つの要素が必要です。このうち点火を担っているのがスパークプラグです。手のひらに収まるほどの小さなパーツですが、エンジン内部の燃焼室という過酷な環境下で、1分間に何千回もの火花を飛ばし続けています。この火花がガソリンと空気の混合気に着火し、爆発を起こすことでバイクは走ることができます。

プラグは消耗品であり、使用を続けると電極が摩耗して角が丸くなったり、燃えカスであるカーボンが付着して汚れたりします。電極が摩耗すると火花が飛びにくくなり、失火の原因となります。また、カーボンが堆積しすぎると電気が逃げてしまい、これもうまく点火できない原因となります。たった一つのプラグの調子が悪いだけで、エンジン全体のパフォーマンスが大きく低下してしまうほど、非常に重要な役割を持っているのです。最近のバイクは性能が良く、多少プラグが劣化していても走れてしまうことがありますが、本来の性能を発揮できていない状態で乗り続けることは、燃費の悪化や他のパーツへの負担にもつながります。

交換時期の目安と劣化が招くトラブル

一般的に、標準的なニッケルプラグの交換目安は、走行距離3,000kmから5,000km程度と言われています。これは意外と短いと感じるかもしれませんが、バイクのエンジンは自動車に比べて回転数が高いため、それだけ点火の回数も多く、消耗が早いのです。一方、電極に貴金属を使用したイリジウムプラグや白金プラグなどは、より長寿命で高性能ですが、それでも定期的な点検は欠かせません。

プラグが劣化してくると、エンジンの始動性が悪くなる、アイドリングが不安定になる、加速時に息継ぎをするような感覚がある、燃費が悪くなるといった症状が現れます。特に冬場の朝一番などでエンジンがかかりにくいと感じたら、バッテリーだけでなくプラグの状態も疑ってみる価値があります。完全に火花が飛ばなくなるとエンジンがかからなくなり、出先で立ち往生してしまうリスクもあります。安価な部品であるにもかかわらず、トラブルが起きた時の影響は大きいため、転ばぬ先の杖として早め早めの交換を心がけることが大切です。

自分で交換する際の注意点とメリット

プラグ交換は、比較的難易度の低いメンテナンスの一つとして知られていますが、車種によってはタンクやカウルを外さなければプラグに到達できない場合もあります。まずは自分のバイクのプラグがどこにあり、どのような工具が必要かを確認しましょう。交換作業で最も注意すべきなのは、締め付けトルクです。締め付けが弱すぎると圧縮漏れや脱落の原因になりますし、強すぎるとシリンダーヘッドのネジ山を破損させるという取り返しのつかない事態を招きます。手で回らなくなるまで締めてから、プラグレンチを使って規定の角度だけ回すといった、メーカー指定の方法を守ることが重要です。

新品のプラグに交換すると、エンジンの始動が一発で決まるようになったり、アクセルレスポンスが鋭くなったりと、その違いを体感できることが多いです。まるでエンジンが若返ったかのような元気な鼓動を取り戻す瞬間は、メンテナンスの醍醐味とも言えるでしょう。数百円から千円程度の部品代で、これほど走りに変化をもたらすパーツは他にあまりありません。愛車のコンディションを維持するためにも、オイル交換2回に1回はプラグもチェックするくらいの意識を持っておくと良いでしょう。

愛車を守るために盗難防止対策は必須

バイク盗難の現状と狙われやすい環境を知る

バイクを所有する上で避けては通れないのが盗難のリスクです。悲しいことですが、日本では毎日多くのバイクが盗難被害に遭っています。特に人気車種や旧車などは、プロの窃盗団による組織的な犯行のターゲットになりやすく、ほんの数分目を離した隙に持ち去られてしまうことも珍しくありません。自宅の敷地内やマンションの駐輪場に置いているからといって安心はできず、むしろ夜間に人目につきにくい場所ほど危険性が高まる場合もあります。

盗難されやすい環境というのは、犯人にとって作業がしやすい場所です。照明が少なくて暗い場所や、通りからの死角になっている場所、長時間放置されている車両などは格好の標的となります。また、ロックをしていない車両はもちろんですが、簡易的なロック一つだけの車両も、犯人からすれば短時間で解除できるため狙われやすくなります。まずは自分のバイクが置かれている環境を客観的に見直し、犯行に及びにくい状況を作ることが重要です。心理的なハードルを上げるだけでも、被害に遭う確率を大幅に下げることができるのです。

物理的なロックの種類と効果的なかけ方

盗難を防ぐためには、物理的なロックを複数使用することが非常に有効です。代表的なものにチェーンロック、U字ロック、ディスクロックなどがあります。これらを組み合わせて使用することで、破壊や解除にかかる時間を稼ぐことができます。犯人は犯行に時間がかかることを極端に嫌うため、複数のロックがかかっているバイクは敬遠される傾向にあります。

特に推奨されるのが、地面に固定された構造物とバイクをチェーンで繋ぐ地球ロックという方法です。電柱やガードレール、アンカーなど、動かせないものと一緒にロックすることで、車体を持ち上げてトラックに積み込む手口を防ぐことができます。ただし、他人の敷地や公共物への無断での固定はトラブルの原因になるため、場所選びには注意が必要です。自宅であれば、アンカーを地面に埋め込む工事を行うのも一つの手段でしょう。

また、ディスクロックは携帯性に優れており出先での使用に便利ですが、外し忘れて発進してしまうとブレーキ周りを破損する恐れがあります。外し忘れ防止のワイヤーを目立つ場所に付けておくなどして、誤発進を防ぐ工夫も大切です。どのようなロックであっても、地面に接しないように取り付けることで、テコの原理を使った切断攻撃を受けにくくすることができます。

カバーとアラームで視覚と聴覚に訴える対策

物理的なロックに加えて、バイクカバーをかけることも立派な防犯対策になります。車種を特定させないことは非常に重要で、犯人に高級車や人気車であることを悟らせない効果があります。また、カバーをめくって中を確認し、ロックを破壊するという手順が増えるため、犯行の時間を遅らせる効果も期待できます。さらに、カバー自体にロックを通す穴があるものを選び、カバーごとロックしてしまえば、めくられるリスクも減らすことができます。

最近では、振動や傾きを検知して大音量で警報を鳴らすアラーム機能付きのロックや、GPS追跡装置なども普及してきました。これらは犯人の聴覚に訴えかけたり、万が一盗まれた後の追跡を可能にしたりと、物理ロックとは違った側面から愛車を守ってくれます。特に警報アラームは、住宅街などでは近隣への迷惑を気にして敬遠する人もいますが、誤作動の少ない高性能なモデルも増えています。

複数の対策を組み合わせることで、犯人にこのバイクは面倒そうだと思わせることが勝利への鍵となります。愛車を守れるのは所有者であるあなただけですので、手間を惜しまずに二重三重の対策を講じることが、長くバイクライフを楽しむための秘訣といえるでしょう。

ヘルメットの形状で何が変わる?

安全性を最優先するならフルフェイス一択

バイクに乗る上で最も重要な装備品であるヘルメットには、様々な形状がありますが、安全性において最も優れているのはフルフェイスヘルメットです。頭部全体をすっぽりと覆い、顎の部分まで強固なシェルで守られているため、転倒時の衝撃から顔面や顎を保護する能力が極めて高いのが特徴です。事故の際、顎を強打するケースは意外と多く、この部分が守られているかどうかで怪我の程度が大きく変わります。

また、密閉性が高いため風切り音が少なく、高速道路での長距離ツーリングでも疲れにくいというメリットがあります。シールドがしっかりと顔を覆ってくれるので、走行風や飛来物、虫などから目を守る効果も抜群です。サーキット走行やスポーツライディングを楽しむ場合は、レギュレーションでフルフェイスの着用が義務付けられていることがほとんどです。夏場は熱がこもりやすいというデメリットもありますが、最近のモデルはベンチレーション機能が進化しており、走行風を取り込んで内部を快適に保つ工夫がされています。命を守ることを最優先に考えるなら、まずはフルフェイスを選ぶのが間違いありません。

開放感と利便性を両立するジェットとシステム

街乗りや通勤などで手軽に使いたいという人に人気なのが、ジェットヘルメットです。顎の部分がないため視界が広く、開放感は抜群です。被ったまま飲み物を飲んだり会話をしたりすることが容易で、眼鏡をかけたままでも着脱しやすいという利便性があります。しかし、顎部分の保護がないため、万が一の際の安全性はフルフェイスに劣ります。シールド付きのものと、シールドがないクラシカルなタイプがありますが、走行中の快適性を考えるならシールド付きが推奨されます。

フルフェイスの安全性とジェットの利便性をいいとこ取りしたのが、システムヘルメットです。見た目はフルフェイスですが、顎の部分を可動させて跳ね上げることができ、停車中はジェットヘルメットのように顔を出すことができます。ツーリング先で景色を眺めたり、休憩中にヘルメットを脱がずにリフレッシュしたりするのに非常に便利です。構造が複雑になるため、フルフェイスに比べて重量が重くなりがちですが、ロングツーリング派のライダーから絶大な支持を得ています。

オフロード用と安全規格についても知っておこう

オフロードバイクに乗るなら、専用のオフロードヘルメットが適しています。特徴的なバイザーは、前走車が跳ね上げる泥や石、そして日差しを遮る役割を果たします。また、口元が突き出した形状になっているのは、激しい運動量による息苦しさを解消し、呼吸を確保するためのスペースです。ゴーグルを装着することを前提としたモデルが多く、埃っぽい悪路でも視界を確保できるようになっています。高速走行ではバイザーが風を受けて首に負担がかかることもありますが、最近ではシールド付きのデュアルパーパスモデルも増えており、オンロードでの快適性も向上しています。

どの形状を選ぶにしても、必ずチェックしたいのが安全規格です。日本ではPSCマークとSGマークがついているものが公道走行用として販売されていますが、より高い安全性を求めるならJIS規格やSNELL規格をクリアしたモデルを選ぶと良いでしょう。特にSNELL規格は世界で最も厳しい基準の一つとして知られており、高い衝撃吸収性能を保証しています。デザインや価格も大切ですが、万が一の時に自分の命を預ける道具であることを忘れず、信頼できるメーカーの適切なサイズのものを選ぶことが大切です。

ARASとは

ARASとはどんなもの?

ARASとは「アドバンスト ライダー アシスタンス システム」の頭文字を取ったもので、バイクの安全運転をサポートするためのシステムのことです。
安全運転をサポートするシステムに関しては、2000年代に入るころからおもに四輪車の分野で導入が進んできました。
電子機器の技術の進歩と足並みを揃えるようにして高い性能・機能を備えた電子デバイスが導入されるようになり、それ以前とは比較にならないほど安全性能が向上しています。

バイクの分野においてもこうした点は進められており、続々と優れた安全性能を備えたモデルが登場しています。
ARASとは、そんな安全運転をサポートするシステムにおいて最先端とも言える技術を取り入れたシステムと言います。
このARASのシステムには、光学式のカメラや超音波ソナー、ミリ波レーダーなどを精密な効きを搭載、さらにそれらの機能を組み合わせつつドライバーの安全運転をサポートする仕組みが設けられています。

2013年にボッシュ社によってこのARASの開発が開始され、2019年には日本の公道での実証実験を行うなど綿密な検証が行われたうえで市場に投入、現在ではさまざまなメーカーがこのARASを搭載したモデルを販売しています。
例えば2022年には、カワサキがNinjaシリーズにこのARASを搭載したモデルを搭載しています。

ARASのメリットとは?

このARASを開発したボッシュ社では「ライダーに危険をいち早く伝えること」と「ライダーの快適性を高めることで安全性を高めること」を大きな柱としており、この2つの実現を目的としたうえで最新の技術をARASに搭載しています。
そんなARASの機能がライダーにもたらすメリットとしては、死角検知機能が挙げられます。
ミラーの死角に入った車両を検知したうえで、ディスプレイに表示するなどしてライダーにいち早く知らせることができます。
走行中に突然視界に車両が入ってきてヒヤリ!といった事態を避けることができるのです。

それから衝突予知警報装置も注目です。
センターが感知した情報をもとにシステムが衝突の可能性をいち早く判断するもので、ライダーが気づかないまま衝突の可能性が高まった場合には回避動作を促す機能が働きます。
長時間のツーリングなどで心身の疲労で集中力が低下しているときにも、この装置によって衝突・激突のリスクを最小限に抑えることが可能です。
さらにもうひとつ、前走車を通称するACC(アダプティブクルーズコントロール)の機能も注目です。
全走車との車間距離を適切に維持しながら速度の加減速を支援するシステムで、高速道路での走行でとくに威力を発揮します。

こうしたメリットを備えたARASを搭載することで、バイクの運転がより安全・快適になります。
これからバイクの購入を検討している方は、この装置が搭載されているかどうかも比較検討の材料にしてみてはいかがでしょうか。

ヤマハ『トレーサー9 GT+』とは

ヤマハ初のACCが登場!

ヤマハの「トレーサー9 GT+」は、スポーツツーリングモデルとして開発されたバイクです。
このモデルの最大の注目となっているのが、ヤマハでは初めてとなるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されている点です。
このACCは安全な運転を支援するための機能のことで、専用のセンサーを搭載したうえでCPUと連動しながらアクセルとブレーキ操作の両方を自動的に行うことができます。

スポーツツーリングモデルともなると高速での運転の機会も多くなり、しかも長時間の移動による疲労で集中力が低下することもあります。
このACCはそうした状況でも安定・安全な運転を可能にし、事故のリスクを最小限に抑えることが可能なのです。
さらにこのトレーサー9 GT+では、加えて新型のユニファイドブレーキシステム、ACCの機能を高める「ACC作動専用モード」が設けられた電子制御サスペンションなども搭載されています。

トレーサー9 GT+の主な機能について

まず気になるのがACCの機能ですが、他社との差別化を意識しているのか、従来のACC搭載のバイクに比べて加減速制御が非常になめらかになっており、安定した走行を実現しています。
さらにACC作動専用モードを設けた電子制御サスペンションではフラッタな走行を可能にしており、速度や運転状況を問わずに安定に、かつライダーへの負担を最小限に抑えることができます。
安全性を重視するなら減速時のスムーズさが非常に重要なポイントとなりますが、このトレーサー9 GT+ではその点申し分なし、加えてスピードを落とした状態から加速する時の立ち上がりにおいても非常に高い評価を得ています。

さらに新形状のハンドルスイッチでは、ライダーがACCの機能を最大限に活用するための工夫が随所に設けられています。
増速/減速ボタンによってスムーズに車速設定ができるほか、車間時間の設定も専用ボタンによって行うことができます。
ハンドル操作に影響を及ぼすこともなく、しかも冬場などで厚手のグローブを装着しているときにもスムーズに操作できるボタン配置も魅力です。

ブレーキシステムは電子制御化されており、ブレーキの高い精度を実現しているほか、もしライダーのブレーキ操作が状況にふさわしくないと判断した場合にアシストする機能が作動してよりスムーズな減速する仕組みになっています。
メーターにはスマホとも連動可能な高輝度7インチのTFTメーターを採用、見やすさと使い勝手の良さの両面でレベルアップが見られます。
スポーツモデルとしての爽快感を備えつつ、安全な運転をサポートするための最新の技術をぜいたくに盛り込んでいるのがこのトレーサー9 GT+の大きな特徴です。
ヤマハ発のACC搭載モデルにふさわしい魅力と性能を備えている、と評価することができるでしょう。

スズキ B-KING

スズキのB-KINGの特徴とは

バイクの中には発売されていた当時はあまり売れず、評価も芳しくなかったにもかかわらず、後になって再評価されるケースが見られます。
スズキのB-KINGは、そんな不運なバイクの代表格として挙げられるかもしれません。
もともとスズキは非常に個性的なバイクを世の送り出すメーカーとして知られていますが、このB-KINGは時代を先取りしすぎていた面がありました。

基本的な特徴としては同社のハヤブサ(Hayabusa)と同系統であり、そのネイキッドバージョンとして売り出された面がありました。
初めてお目見えしたのが2001年の東京モーターサイクルショーで、当時このコンセプトモデルが登場したときには「スズキがまたとんでもないネイキットモデルを作り出した!」と話題になったものです。

とくに話題となったのが、スーパーチャージャーを搭載していた点です。
いわばスーパーチャージャーを搭載したハヤブサのパワーアップバーションとも言うべきもので、国内はもちろん海外のバイク好きからも期待を集めていました。
ただし、市販化されたときにはスーパーチャージーではなくNAエンジンが搭載されることになりました。

B-KINGが名車と評価される理由について

こうしたスズキのバイクの伝統を引き継ぎつつも個性的、しかも新機軸を打ち出していた点がB-KINGの大きな特徴だったのですが、いざ市場に投入されるとあまり売れませんでした。
その理由として、2001年の初登場から実際に市販された2008年までの間に7年の期間が経っており、バイク好きの間で「熱が冷めてしまった」面があった点がよく挙げられます。

しかし、だからといってこのB-KINGの評価が下がるわけではなく、現在では名車として評価されるさまざまな魅力を備えています。
とくに高い評価を得ているのが乗り味のよさで、パワフルな面を押し出しつつも優しく柔らかい乗り心地を備えており、公道での走行ではハヤブサを上回るとも言われています。

ほかにも、直線における優れた加速性、そのスピード感を損なうことなくスムーズにカーブできる走行性、開けやすいと評判だったアクセルなども見逃せません。
使い勝手のよさを重視した2段階に調節可能なドライブモードなども、B-KINGの魅力と言えます。
個性的なデザイン、とくに2本のマフラーは硬派かつ近未来的な雰囲気を醸し出す魅力にあふれており、見ただけで「乗ってみたい!」と思わせる特徴となっています。

当時はあまりにもハイスペック過ぎで売れなかった、という面もあるのでしょう。
それが、時代がこのモデルに追いつくことによってようやく名車としての評価を得る状況をもたらしたのかもしれません。
プラスして、今となっては絶版車としてのステータスも備えており、中古市場において注目を集める存在となっているのです。

原付一種で乗れる新基準原付が容認へ

原付の新基準原付とはどんなもの?

排気量が50cc以下のバイクを運転することができる原付免許は、現在大きな転機を迎えつつあります。
2025年10月に排ガス規制が強化されることになっており、従来の50cc以下の基準では、この新しい排ガス規制をクリアしたバイクを開発するのが難しいと言われています。
技術力というよりもコスト的に「割りに合わない」ことから、市場から消えるのではないか、と考えられているのです。

この問題に対する対応として登場したのが、原付免許の新基準です。
これは排気量ではなく最高出力で基準を設定したもので、これまでの排気量で規制する基準から大きな方向転換が図られることになっています。
この新基準原付の最大のポイントは、125ccクラスのバイクの出力を50ccクラスのバイクに抑えたバイクなら原付免許でも運転することができる、というものです。
ですから、「50ccクラスの出力」という条件がつけられた状態で125ccクラスのバイクを運転することができるようになるわけです。

注意したいのは、あくまでこの「50ccクラスの出力」という定義です。
今回の新基準によって原付免許でも125ccのバイクに乗ることができる、というわけではないことを踏まえておきましょう。

新基準のバイクの乗りやすさは?

最大の問題点となるのが、乗りやすさと走行性です。
実質50ccの出力を備えた125ccクラスのバイクは運転しやすいのか、原付免許だけ所有している人でも問題なく運転できるのでしょうか。

この点に関しては、経験豊富な技能試験感や一般ライダーを対象に試験走行が実施されており、実際の乗りやすさ、走行性に関する評価が出されています。
それによると、新基準によるバイクは従来の50ccのバイクと比較して「同等~やや易しい」という評価が多くを占めているといいます。
ですから、乗りやすさに関してはほぼ問題なし、原付免許だけでも運転できると見てよさそうです。

新基準原付の課題点は?

この試験走行においては注意点も指摘されています。
とくに坂道での走行・発進におけるパワー不足が指摘されており、坂道の傾斜具合によっては扱いにくさを感じるケースもありそうです。
もうひとつ大きな課題となっているのが足つきです。
バイクの車体そのものが従来の50ccバイクよりも大きくなるため、これまで50ccのサイズに慣れている人が新基準のバイクに乗った場合に足つきの悪さから立ちゴケを起こしやすくなる可能性も指摘されています。

こうした課題に関しては各ライダーが十分に慣れるまで安全運転を心がけるほか、開発するメーカー側の工夫や改良が重要になってくるのでしょう。
2025年の排ガス規制の強化の頃に実際にどうなっているのか、今後の展開を注目したいところです。

ACC(アダプティブクルーズコントロール)とは

ACCでロングツーリングの疲労度が変わる

ACCというのはアダプティブクルーズコントロールのことで、いわゆるバイクの自動運転支援装置のことです。
アクセルを回さなくても自動的に速度を調整してくれる電子制御システムとなっています。

スピードコントロールだけでもすごい機能ですが、ACCはさらに一歩進んだ先進的なシステムを指します。
ACCはスピードを自動でコントロールするだけでなく、ミリ波レーダーが前方の車両を確認して、自動的に適切な車間を保つよう制御してくれる装置です。
スピードコントロールに加えて車間距離も適切に保ってくれるので、追突などのリスクを抑え、安全走行を支援してくれる画期的なシステムです。

車にはすでにACCを標準装備したものが続々と登場し一般的な装備になりつつありますが、バイクでもACCが開発され、オプションで搭載できるようになりました。
すでにいくつかのモデルでは搭載可能になっているので、今後はより身近な安全装備になっていくことでしょう。
またバイクは自動車のようにワイパーがないため、降雨の状況では前方をカメラで捉えるのに安全性に欠けてしまいます。
そのため専用のミリ波レーダーを搭載することで、ACCを実現しています。

これまでのクルーズコントロールでは、前方の車両との車間距離はライダー自らが確認し、速度を落としたり、ブレーキをかけたりする必要がありました。
ACCの場合は全てレーダーが前方の状況を把握して判断してくれるので、原則やブレーキ、スピードの回復などは全てコンピューターが行なってくれます。
ライダーはハンドル操作に集中するだけで良いので、ロングツーリングでの疲れ具合がかなり変わってきます。

ACC搭載のバイクに乗るメリット

ACCは前方の車両との車間距離を自動的に保ってくれるので、安全に走行できるというメリットがあります。
疲れているとブレーキをかけるのが遅れてしまうこともありますが、ACCがあれば速度の減速などは全てセンサーが判断してくれるので、事故のリスクが大幅に低減されます。
センサーによる判断は安全を第一に考えたもので、スピードが上がると、それに合わせて車間距離も自動的に伸びるように判断してくれます。

もう一つのメリットは、長距離走行におけるストレスの軽減です。
長距離を走行する場合、長時間運転に集中する必要があり、スピードも自分で制御しなければいけません。
ACCはライダーがこれまで行なってきた動作を代わりにしてくれるので、その分だけ運転は楽になりますし、運転により集中できるようになります。
安全運転に貢献してくれる装備なので、実際に使ってみると遠出の際にとても助かると感じるでしょう。

ホンダスマートフォンボイスコントロールシステムとは

HSVCSとは

運転中のスマートフォンの操作は、道路交通法違反になるだけでなく交通事故の原因にもなるため絶対にしてはいけません。
しかし、スマートフォンは生活に必要不可欠なツールとなっている現在、運転中にスマートフォンを操作できるシステムの開発は急務となっています。
バイクメーカー各社がスマートフォンとバイクを接続できるシステムの開発を行なっていて、実際に活用できるようになっていますが、ホンダもその一つです。

ホンダが開発したスマートフォンとバイクを連携されるシステムとは、HSVCS(ホンダ・スマートフォン・ボイスコントロール・システム)です。
このシステムはスマートフォンとバイク同士をブルートゥースによる無線接続を行い、スマートフォンのアプリを操作できるようにしたシステムです。
操作といっても、バイクの運転を妨げることなく行えるようになっているため、道路交通法を遵守し安全に操作できるようになっています。

操作は、ハンドル部分に設置された操作パネルを利用して行います。
HSVCSの操作スイッチはハンドルの左側にあり、4つのシンプルなボタンで構成されています。
矢印ボタンでアプリを選択し、エンターをプッシュするとアプリが起動します。
あとは音声認識機能を利用して、利用したいアプリを操作するだけの簡単な操作です。
問題はスマートフォンがロックされてしまった場合ですが、HSVCSはロックを解除できる機能を搭載しているため、画面がロックしても安全にロックを解除しスマートフォンのアプリにアクセスできるようになっています。

メリット

HSVCSを利用するメリットとして、例えばメールなどのメッセージをバイク運転中でも確認できます。
このような機能がない状態でスマートフォンを操作するためには、一旦バイクを停車して、スマートフォンを操作する必要が出てきます。
家族から何か帰りに買ってきてと頼まれた場合、すでにナビの目的地を設定している場合は、目的地を変更する操作も必要です。
HSVCSはこれらの操作を全て走行中でもできるようにしています。

これ以外にも、電話をかけたり受けたりできますし、お気に入りの音楽を走行中に聴くといったこともできます。
ロングツーリングなどで音楽を聴きながらツーリングが楽しめるというのは、とても嬉しい話です。
グループでツーリングをしている場合、HSVCSを活用すれば他のメンバーとスマホで連絡が取り合えるので、途中どこで休憩するかとか、目的地を変更する場合、どのルートを走るかといったことも決められます。
そのナビの設定まで走行中に完結できるようになるのは、ライダーにとって魅力的な機能と言えるでしょう。

HSVCSは、これまでのバイクとスマートフォンとの関係を塗り替える画期的な技術です。
バイクで活用することで、その利用価値が体感できるでしょう。