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ARASとは

ARASとはどんなもの?

ARASとは「アドバンスト ライダー アシスタンス システム」の頭文字を取ったもので、バイクの安全運転をサポートするためのシステムのことです。
安全運転をサポートするシステムに関しては、2000年代に入るころからおもに四輪車の分野で導入が進んできました。
電子機器の技術の進歩と足並みを揃えるようにして高い性能・機能を備えた電子デバイスが導入されるようになり、それ以前とは比較にならないほど安全性能が向上しています。

バイクの分野においてもこうした点は進められており、続々と優れた安全性能を備えたモデルが登場しています。
ARASとは、そんな安全運転をサポートするシステムにおいて最先端とも言える技術を取り入れたシステムと言います。
このARASのシステムには、光学式のカメラや超音波ソナー、ミリ波レーダーなどを精密な効きを搭載、さらにそれらの機能を組み合わせつつドライバーの安全運転をサポートする仕組みが設けられています。

2013年にボッシュ社によってこのARASの開発が開始され、2019年には日本の公道での実証実験を行うなど綿密な検証が行われたうえで市場に投入、現在ではさまざまなメーカーがこのARASを搭載したモデルを販売しています。
例えば2022年には、カワサキがNinjaシリーズにこのARASを搭載したモデルを搭載しています。

ARASのメリットとは?

このARASを開発したボッシュ社では「ライダーに危険をいち早く伝えること」と「ライダーの快適性を高めることで安全性を高めること」を大きな柱としており、この2つの実現を目的としたうえで最新の技術をARASに搭載しています。
そんなARASの機能がライダーにもたらすメリットとしては、死角検知機能が挙げられます。
ミラーの死角に入った車両を検知したうえで、ディスプレイに表示するなどしてライダーにいち早く知らせることができます。
走行中に突然視界に車両が入ってきてヒヤリ!といった事態を避けることができるのです。

それから衝突予知警報装置も注目です。
センターが感知した情報をもとにシステムが衝突の可能性をいち早く判断するもので、ライダーが気づかないまま衝突の可能性が高まった場合には回避動作を促す機能が働きます。
長時間のツーリングなどで心身の疲労で集中力が低下しているときにも、この装置によって衝突・激突のリスクを最小限に抑えることが可能です。
さらにもうひとつ、前走車を通称するACC(アダプティブクルーズコントロール)の機能も注目です。
全走車との車間距離を適切に維持しながら速度の加減速を支援するシステムで、高速道路での走行でとくに威力を発揮します。

こうしたメリットを備えたARASを搭載することで、バイクの運転がより安全・快適になります。
これからバイクの購入を検討している方は、この装置が搭載されているかどうかも比較検討の材料にしてみてはいかがでしょうか。

ヤマハ『トレーサー9 GT+』とは

ヤマハ初のACCが登場!

ヤマハの「トレーサー9 GT+」は、スポーツツーリングモデルとして開発されたバイクです。
このモデルの最大の注目となっているのが、ヤマハでは初めてとなるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)が搭載されている点です。
このACCは安全な運転を支援するための機能のことで、専用のセンサーを搭載したうえでCPUと連動しながらアクセルとブレーキ操作の両方を自動的に行うことができます。

スポーツツーリングモデルともなると高速での運転の機会も多くなり、しかも長時間の移動による疲労で集中力が低下することもあります。
このACCはそうした状況でも安定・安全な運転を可能にし、事故のリスクを最小限に抑えることが可能なのです。
さらにこのトレーサー9 GT+では、加えて新型のユニファイドブレーキシステム、ACCの機能を高める「ACC作動専用モード」が設けられた電子制御サスペンションなども搭載されています。

トレーサー9 GT+の主な機能について

まず気になるのがACCの機能ですが、他社との差別化を意識しているのか、従来のACC搭載のバイクに比べて加減速制御が非常になめらかになっており、安定した走行を実現しています。
さらにACC作動専用モードを設けた電子制御サスペンションではフラッタな走行を可能にしており、速度や運転状況を問わずに安定に、かつライダーへの負担を最小限に抑えることができます。
安全性を重視するなら減速時のスムーズさが非常に重要なポイントとなりますが、このトレーサー9 GT+ではその点申し分なし、加えてスピードを落とした状態から加速する時の立ち上がりにおいても非常に高い評価を得ています。

さらに新形状のハンドルスイッチでは、ライダーがACCの機能を最大限に活用するための工夫が随所に設けられています。
増速/減速ボタンによってスムーズに車速設定ができるほか、車間時間の設定も専用ボタンによって行うことができます。
ハンドル操作に影響を及ぼすこともなく、しかも冬場などで厚手のグローブを装着しているときにもスムーズに操作できるボタン配置も魅力です。

ブレーキシステムは電子制御化されており、ブレーキの高い精度を実現しているほか、もしライダーのブレーキ操作が状況にふさわしくないと判断した場合にアシストする機能が作動してよりスムーズな減速する仕組みになっています。
メーターにはスマホとも連動可能な高輝度7インチのTFTメーターを採用、見やすさと使い勝手の良さの両面でレベルアップが見られます。
スポーツモデルとしての爽快感を備えつつ、安全な運転をサポートするための最新の技術をぜいたくに盛り込んでいるのがこのトレーサー9 GT+の大きな特徴です。
ヤマハ発のACC搭載モデルにふさわしい魅力と性能を備えている、と評価することができるでしょう。

スズキ B-KING

スズキのB-KINGの特徴とは

バイクの中には発売されていた当時はあまり売れず、評価も芳しくなかったにもかかわらず、後になって再評価されるケースが見られます。
スズキのB-KINGは、そんな不運なバイクの代表格として挙げられるかもしれません。
もともとスズキは非常に個性的なバイクを世の送り出すメーカーとして知られていますが、このB-KINGは時代を先取りしすぎていた面がありました。

基本的な特徴としては同社のハヤブサ(Hayabusa)と同系統であり、そのネイキッドバージョンとして売り出された面がありました。
初めてお目見えしたのが2001年の東京モーターサイクルショーで、当時このコンセプトモデルが登場したときには「スズキがまたとんでもないネイキットモデルを作り出した!」と話題になったものです。

とくに話題となったのが、スーパーチャージャーを搭載していた点です。
いわばスーパーチャージャーを搭載したハヤブサのパワーアップバーションとも言うべきもので、国内はもちろん海外のバイク好きからも期待を集めていました。
ただし、市販化されたときにはスーパーチャージーではなくNAエンジンが搭載されることになりました。

B-KINGが名車と評価される理由について

こうしたスズキのバイクの伝統を引き継ぎつつも個性的、しかも新機軸を打ち出していた点がB-KINGの大きな特徴だったのですが、いざ市場に投入されるとあまり売れませんでした。
その理由として、2001年の初登場から実際に市販された2008年までの間に7年の期間が経っており、バイク好きの間で「熱が冷めてしまった」面があった点がよく挙げられます。

しかし、だからといってこのB-KINGの評価が下がるわけではなく、現在では名車として評価されるさまざまな魅力を備えています。
とくに高い評価を得ているのが乗り味のよさで、パワフルな面を押し出しつつも優しく柔らかい乗り心地を備えており、公道での走行ではハヤブサを上回るとも言われています。

ほかにも、直線における優れた加速性、そのスピード感を損なうことなくスムーズにカーブできる走行性、開けやすいと評判だったアクセルなども見逃せません。
使い勝手のよさを重視した2段階に調節可能なドライブモードなども、B-KINGの魅力と言えます。
個性的なデザイン、とくに2本のマフラーは硬派かつ近未来的な雰囲気を醸し出す魅力にあふれており、見ただけで「乗ってみたい!」と思わせる特徴となっています。

当時はあまりにもハイスペック過ぎで売れなかった、という面もあるのでしょう。
それが、時代がこのモデルに追いつくことによってようやく名車としての評価を得る状況をもたらしたのかもしれません。
プラスして、今となっては絶版車としてのステータスも備えており、中古市場において注目を集める存在となっているのです。

原付一種で乗れる新基準原付が容認へ

原付の新基準原付とはどんなもの?

排気量が50cc以下のバイクを運転することができる原付免許は、現在大きな転機を迎えつつあります。
2025年10月に排ガス規制が強化されることになっており、従来の50cc以下の基準では、この新しい排ガス規制をクリアしたバイクを開発するのが難しいと言われています。
技術力というよりもコスト的に「割りに合わない」ことから、市場から消えるのではないか、と考えられているのです。

この問題に対する対応として登場したのが、原付免許の新基準です。
これは排気量ではなく最高出力で基準を設定したもので、これまでの排気量で規制する基準から大きな方向転換が図られることになっています。
この新基準原付の最大のポイントは、125ccクラスのバイクの出力を50ccクラスのバイクに抑えたバイクなら原付免許でも運転することができる、というものです。
ですから、「50ccクラスの出力」という条件がつけられた状態で125ccクラスのバイクを運転することができるようになるわけです。

注意したいのは、あくまでこの「50ccクラスの出力」という定義です。
今回の新基準によって原付免許でも125ccのバイクに乗ることができる、というわけではないことを踏まえておきましょう。

新基準のバイクの乗りやすさは?

最大の問題点となるのが、乗りやすさと走行性です。
実質50ccの出力を備えた125ccクラスのバイクは運転しやすいのか、原付免許だけ所有している人でも問題なく運転できるのでしょうか。

この点に関しては、経験豊富な技能試験感や一般ライダーを対象に試験走行が実施されており、実際の乗りやすさ、走行性に関する評価が出されています。
それによると、新基準によるバイクは従来の50ccのバイクと比較して「同等~やや易しい」という評価が多くを占めているといいます。
ですから、乗りやすさに関してはほぼ問題なし、原付免許だけでも運転できると見てよさそうです。

新基準原付の課題点は?

この試験走行においては注意点も指摘されています。
とくに坂道での走行・発進におけるパワー不足が指摘されており、坂道の傾斜具合によっては扱いにくさを感じるケースもありそうです。
もうひとつ大きな課題となっているのが足つきです。
バイクの車体そのものが従来の50ccバイクよりも大きくなるため、これまで50ccのサイズに慣れている人が新基準のバイクに乗った場合に足つきの悪さから立ちゴケを起こしやすくなる可能性も指摘されています。

こうした課題に関しては各ライダーが十分に慣れるまで安全運転を心がけるほか、開発するメーカー側の工夫や改良が重要になってくるのでしょう。
2025年の排ガス規制の強化の頃に実際にどうなっているのか、今後の展開を注目したいところです。

ACC(アダプティブクルーズコントロール)とは

ACCでロングツーリングの疲労度が変わる

ACCというのはアダプティブクルーズコントロールのことで、いわゆるバイクの自動運転支援装置のことです。
アクセルを回さなくても自動的に速度を調整してくれる電子制御システムとなっています。

スピードコントロールだけでもすごい機能ですが、ACCはさらに一歩進んだ先進的なシステムを指します。
ACCはスピードを自動でコントロールするだけでなく、ミリ波レーダーが前方の車両を確認して、自動的に適切な車間を保つよう制御してくれる装置です。
スピードコントロールに加えて車間距離も適切に保ってくれるので、追突などのリスクを抑え、安全走行を支援してくれる画期的なシステムです。

車にはすでにACCを標準装備したものが続々と登場し一般的な装備になりつつありますが、バイクでもACCが開発され、オプションで搭載できるようになりました。
すでにいくつかのモデルでは搭載可能になっているので、今後はより身近な安全装備になっていくことでしょう。
またバイクは自動車のようにワイパーがないため、降雨の状況では前方をカメラで捉えるのに安全性に欠けてしまいます。
そのため専用のミリ波レーダーを搭載することで、ACCを実現しています。

これまでのクルーズコントロールでは、前方の車両との車間距離はライダー自らが確認し、速度を落としたり、ブレーキをかけたりする必要がありました。
ACCの場合は全てレーダーが前方の状況を把握して判断してくれるので、原則やブレーキ、スピードの回復などは全てコンピューターが行なってくれます。
ライダーはハンドル操作に集中するだけで良いので、ロングツーリングでの疲れ具合がかなり変わってきます。

ACC搭載のバイクに乗るメリット

ACCは前方の車両との車間距離を自動的に保ってくれるので、安全に走行できるというメリットがあります。
疲れているとブレーキをかけるのが遅れてしまうこともありますが、ACCがあれば速度の減速などは全てセンサーが判断してくれるので、事故のリスクが大幅に低減されます。
センサーによる判断は安全を第一に考えたもので、スピードが上がると、それに合わせて車間距離も自動的に伸びるように判断してくれます。

もう一つのメリットは、長距離走行におけるストレスの軽減です。
長距離を走行する場合、長時間運転に集中する必要があり、スピードも自分で制御しなければいけません。
ACCはライダーがこれまで行なってきた動作を代わりにしてくれるので、その分だけ運転は楽になりますし、運転により集中できるようになります。
安全運転に貢献してくれる装備なので、実際に使ってみると遠出の際にとても助かると感じるでしょう。

ホンダスマートフォンボイスコントロールシステムとは

HSVCSとは

運転中のスマートフォンの操作は、道路交通法違反になるだけでなく交通事故の原因にもなるため絶対にしてはいけません。
しかし、スマートフォンは生活に必要不可欠なツールとなっている現在、運転中にスマートフォンを操作できるシステムの開発は急務となっています。
バイクメーカー各社がスマートフォンとバイクを接続できるシステムの開発を行なっていて、実際に活用できるようになっていますが、ホンダもその一つです。

ホンダが開発したスマートフォンとバイクを連携されるシステムとは、HSVCS(ホンダ・スマートフォン・ボイスコントロール・システム)です。
このシステムはスマートフォンとバイク同士をブルートゥースによる無線接続を行い、スマートフォンのアプリを操作できるようにしたシステムです。
操作といっても、バイクの運転を妨げることなく行えるようになっているため、道路交通法を遵守し安全に操作できるようになっています。

操作は、ハンドル部分に設置された操作パネルを利用して行います。
HSVCSの操作スイッチはハンドルの左側にあり、4つのシンプルなボタンで構成されています。
矢印ボタンでアプリを選択し、エンターをプッシュするとアプリが起動します。
あとは音声認識機能を利用して、利用したいアプリを操作するだけの簡単な操作です。
問題はスマートフォンがロックされてしまった場合ですが、HSVCSはロックを解除できる機能を搭載しているため、画面がロックしても安全にロックを解除しスマートフォンのアプリにアクセスできるようになっています。

メリット

HSVCSを利用するメリットとして、例えばメールなどのメッセージをバイク運転中でも確認できます。
このような機能がない状態でスマートフォンを操作するためには、一旦バイクを停車して、スマートフォンを操作する必要が出てきます。
家族から何か帰りに買ってきてと頼まれた場合、すでにナビの目的地を設定している場合は、目的地を変更する操作も必要です。
HSVCSはこれらの操作を全て走行中でもできるようにしています。

これ以外にも、電話をかけたり受けたりできますし、お気に入りの音楽を走行中に聴くといったこともできます。
ロングツーリングなどで音楽を聴きながらツーリングが楽しめるというのは、とても嬉しい話です。
グループでツーリングをしている場合、HSVCSを活用すれば他のメンバーとスマホで連絡が取り合えるので、途中どこで休憩するかとか、目的地を変更する場合、どのルートを走るかといったことも決められます。
そのナビの設定まで走行中に完結できるようになるのは、ライダーにとって魅力的な機能と言えるでしょう。

HSVCSは、これまでのバイクとスマートフォンとの関係を塗り替える画期的な技術です。
バイクで活用することで、その利用価値が体感できるでしょう。

カワサキ バリオス

1991年に登場したカワサキバリオス

当時カワサキは新たなネイキッドバイクとして、バリオスを世に送り出しました。
ネイキッドとはエンジンがむき出しになっているバイクのことで、日本で販売されているバイクの多くはネイキッドタイプになっています。
強力なパワーユニットが一目でわかるバリオスは大人気となり、現在は名車としての地位を確立するようになりました。

バリオスの持つポテンシャルの中でも、特徴的と言えるのが搭載されているエンジンでしょう。
ZXRをベースに開発されたエンジンはカワサキが得意とする高回転エンジンで、吹き上がりが大変よいのが特徴です。
カワサキのバイクはちょっと扱いにくいと感じる人もいるようですが、バリオスはカワサキ独自のクセが少なく、比較的扱いやすいネイキッドバイクです。

走行性能を高めるためと、バイクのボディ剛性を高めるために、高張力鋼管パイプを使用したダブルクレードルフレームを採用しています。
これによりフレームの剛性が格段と強化され、ツーリングにおける走行安定性を高めるのに貢献しています。
サスペンション部分も、走行性能を高め、より操縦しやすいバイクを実現するための専用チューニングを施しています。
走行性能を高めたバリオスはロングツーリングでも、その性能を十分発揮できるよう設計されているため、ライダーたちが好んで選ぶようになりました。

カワサキバリオスが名車の理由

バリオスが名車と呼ばれるようになった背景に、カワサキの名車NINJYAを彷彿とさせるデザインを採用しているところにあります。
ベースになっているのはZXR250ですが、独特のフォルムとパワートレインはNINJYAの持つDNAを受け継いでいると言っても過言ではありません。
エンジンは250cc4ストロークエンジンを搭載しているため、250ccとは思えないパワーと加速性能を有しています。

名車と呼ばれるようになったもう一つの理由が、これまでは400cc以上のクラスでは一般的だったネイキッドデザインを採用したことにあります。
実際にバリオスが市場に送り出された時には、すでに他社が250ccネイキッドバイクを発売した後のことで、時間軸から言えば遅れての市場投入となった訳ですが、カワサキファンのライダーにとっては待望の250ccネイキッドバイクの登場になりました。

250ccクラスとは思えない超高回転エンジン、優れた加速フィーリング、成熟したネイキッドデザインはファンの心を鷲掴みにし、多くのライダーたちに愛されてきました。
残念ながら新たな排出ガス規制の基準をクリアできなかったため、2007年で生産を終えることになり、今では伝説的な存在となったのがこのカワサキバリオスなのです。

実は多い信号待ちの追突事故

不意打ちの追突事故

信号待ちで停車中に後方から来た車に追突される、このような事故が起きる可能性があることを意識しておくことは大切です。
もちろん追突事故は加害者側の過失が100%なのですが、バイクの場合、追突事故に遭うと大事故になる可能性が高くなります。
なぜ追突事故は不意打ちと言えるのか、その理由はほとんどの場合、後方からの車両が追突してくるとは考えずに停車しているからです。
信号待ちでは、左右の動きや前方の動きに注視しているものの、後方確認は疎かになりがちです。

後方からの車両がなぜ追突するのか、理由として挙げられるのは、居眠り運転、周りの状況に注意を取られて前方不注意になっていた、携帯電話が鳴ってそれを取ろうとして追突してしまった等、理由はさまざまです。
車同士の追突事故でもかなりのダメージを車が受けるわけですが、バイクの場合、後方はほぼ無防備とっても過言ではないので、生命に関わる重大な事故になる確率が高く、特にかなりのスピードで突っ込まれた場合は即死の可能性すらあります。
命は助かっても、買ったばかりのバイクがお釈迦になってしまう可能性も十分にあり得るのです。

実際にバイクの追突事故はどれくらい起きているのかというと、年間平均で600から700件のバイク事故が発生していると言われています。
この数字を見て、かなり多いと思った方もいるかもしれません。
やはり明日は我が身という姿勢で信号待ちをしたり、渋滞中の停車をしたりする必要があります。

最近では衝突安全ブレーキの普及で、追突事故を未然に防ぐ機能を搭載した車が増えていますが、それでも万能とはいえません。
自分の身は自分で守るという姿勢が求められているのかもしれません。

追突事故にならないように警戒を

追突事故に巻き込まれないようにするためには、まず停車位置に注意することが大切です。
信号待ちをする場合にも、最後方の場合は特に注意が必要と言えるでしょう。
しかし、後方に自動車が停車している場合は安全なのかというと、そうともいえません。
オートマのクリープ現象で知らないうちに車が動いて追突してしまった、というケースもあるからです。
他には、坂道の信号待ちで車が動いてしまい、前方のバイクに衝突してしまったという事例もあります。

信号待ちでは常に後方の状況を確認して、いざという時には回避できるようにしておく必要があるかもしれません。
それ以外にも、できるだけ路肩に寄せる形で停車することで、追突によるダメージを減らすこともできます。
追突事故は完全に防げる訳ではありませんが、バイクを運転する場合には、リスクを減らすことで自分の命やバイクを守れます。
日頃から注意をしつつ、ツーリングを楽しむのが一番だと言えるでしょう。

ヤマハの3輪モデルNIKEN

LMWシリーズの第3弾

ヤマハではLMWシリーズのバイクを展開しています。
LMWとは「リーニング・マルチ・ホイール」の頭文字をとったものです。
トリシティ125や155などがこのシリーズの中で投入された車種です。

そしてLMWシリーズの第3弾として発売されたのが、NIKENです。
2018年9月から受注開始しました。
ヤマハ初の試みである3輪仕様のスポーツモデルというのが話題になりました。

実用性と娯楽性の両立

3輪車は2輪と比較すると安定性が高いです。
このため配達や通勤・通学などの実用的なシーンで活用されることが多いです。

NIKENの場合、そこに娯楽の要素を付け加えたのが人気の理由です。
エンジンは845ccの排気量を有しています。
しかもギアチェンジも自分で自由自在に行えます。
バイクを操りながら爽快な走りができるので、オートバイの面白みを感じたいライダーの間で広く支持されました。

またコーナリングでは車体をバンクさせることが可能です。
3輪車でNIKENレベルの排気量を有するエンジンが搭載されている車種は、国内ではまずないでしょう。
このような部分もNIKENのオリジナリティを引き出しています。

深いバンク角も魅力の一つ

トリシティと比較して、バンク角を深くしているのもNIKENの見逃せない特徴の一つです。
トリシティのバンク角は38度だったのですが、NIKENはこれをさらに45度にまでアップしました。

たかが7度の違いですが、実際に乗るとそのフィーリングは大きく異なります。
コーナリングをする際に、ボディをよりしっかり寝かせることができます。

しかもNIKENには、LMWアッカーマン・ジオメトリーという機構を導入しています。
この機構のおかげで深くバンクしてもフロントタイヤは同心円を描きます。
このため、2輪車に乗っているようなしゃたのたの仕方を楽しめます。
ハンドリングもナチュラルそのもので、2輪車からスイッチしてもすぐに乗り慣れるでしょう。

ヤマハのお家芸の3気筒エンジン

NIKENに搭載されているのは3気筒エンジンで、排気量は845ccです。
ヤマハはもともと3気筒エンジンには定評がありますが、従来よりもさらに進化させています。

その中でもクランクマスの重量をアップさせています。
従来モデルと比較すると18%アップさせました。
その結果、低回転域がより扱いやすくなりました。
ゆったりとした走行でも体に負担のかかりにくいようなデザインとなりました。

さらにクルーズコントロールが搭載されているのも魅力の一つです。
アクセルを吹かさなくても一定速度で走行できます。
アクセルコントロールをする必要がないので、ライダーの負担を軽減できます。

ロングセラーとなったスズキバンディット250

現代的なモデルに進化

スズキでかつて取り扱っていたバンディット250は、今なお根強い人気を誇ります。
発売されたのは1989年のことです。

かつて新しいスタイルのネイキッドとして注目を集めたゼファーとは、全く異なる仕上がりになったのが話題になった理由の一つです。
ゼファーの場合、空冷エンジンを採用し70年代のバイクを意識したレトロなテイストが特色でした。

一方バンディット250は、トレンドの水冷エンジンを搭載しました。
またオリジナリティあふれるダイヤモンド構造のフレームを新たに採用しました。
このためスタイリッシュで都会的なデザインで、ゼファーとの差別化が図られました。

ベースは一緒で進化させる

バンディット250は発売直後から高い人気を誇りました。
ゼファーにはなかった250ccモデルで、取り扱いやすかったことが大きかったです。

フォルムが美しいところも魅力的でした。
またセパハンとアップハン仕様の2種類がラインナップされ、自由に選択できたのも人気の出た要因の一つです。

バンディット250はフルモデルチェンジを何度か行いました。
新しいモデルになると、より完成度の高いバイクになっていきました。
しかし一方で基本的なモデルやエンジンの設計は初代のものをしっかり受け継いでいます。
ですから初代のファンも受け入れやすい仕上がりになり、ロングセラーを記録しました。

2代目には250Vもラインナップ

バンディット250は1995年にフルモデルチェンジを実施しました。
この時大きな特徴として、新しいバージョンの250Vを新たに追加しました。
250Vと従来型との違いは、エンジンです。

250Vには可変バルブタイミング機構が搭載されています。
初代には兄弟車種として発売されたバンディット400にしか採用されていませんでした。

またカムプロフィールを高速用に切り替えるスタイルも導入されています。
その結果、直4エンジンらしいフィーリングを実感できるようになりました。
高速はもちろんのこと、低中速にかけても挙動が安定し、街乗りでもスイスイ走行できるようになりました。

優れた加速度も魅力

一見するとおしゃれなスタイルですが、力強い加速力を有しているのもバンディット250の魅力です。
そもそもバンディットとは日本語に訳すと「山賊」です。
まさに山賊の荒々しさをほうふつとさせる走りができるバイクです。

アクセルを吹かすと、一気にエンジンの回転数が高まります。
しかも甲高いエンジン音を伴うので、レーシングモデルではないかと思ってしまうほどです。

またアイドリングの時には、低音で規則正しくエンジン音が刻んでいきます。
まるで山賊が獲物に狙いを定めているかのような猛々しさを感じさせます。