エンジン内で強い発火をするスパークプラグ
スパークプラグはエンジンの内部にあり、振動を加えることによって小さな爆発を繰り返しています。
エンジン内部では激しいピストン運動によって動力を生み出すのですが、このときに力を生み出すもとになるのが燃料であるガソリンの燃焼です。
バイクに乗るときには最初にスターターボタンやキックスターターでエンジンをかけますが、このときに最初に発火の役割をするのがスパークプラグです。
スパークプラグは小さな部品ですが、先端に衝撃が加わることにより20000V~30000Vもの大変強い電圧が一瞬でかかります。
エンジンがかかっているときには電圧を発生させるために何度も先端部分の衝撃が繰り返されることになるため、長く使用をしているとどうしても先端部分が変形してきたり、焼け付きが起こって燃焼力が弱くなってきてしまいます。
古くなったスパークプラグはエンジンの力を弱くするだけでなく、最終的にはエンジンそのものが起動しなくなるという不具合を引き起こします。
定期的に点検をするとともに、普段の走行からなんとなくエンジンの調子が悪いなと思ったら早めに交換をするようにしましょう。
スパークプラグには多くの種類があります
スパークプラグは比較的わかりやすいところに取り付けてある部品であるため、自分で取替をするということも簡単にできます。
ただし注意をしたいのがスパークプラグには複数の種類があり、間違ったタイプのものを取り付けてしまうとエンジン内部に損傷を起こしてしまう危険性があるということです。
プラグには「熱価」というものがあり、「低熱価プラグ」と「高熱価プラグ」の二種類に分類されています。
これは使用をするエンジンが低出力エンジンであるか高出力エンジンであるかによって区別されるもので、エンジン内で動作中に異常発熱がされないように温度調整をすることができるようにスパークプラグも使い分けがされます。
基本的にはスパークプラグを交換するときには純正品の同じタイプのものを新たに購入するのが望ましいのですが、別メーカー品を使用したいというときにはきちんと熱価があっているかということを調べてからつけるようにしましょう。
もしエンジンの出力とプラグの熱価があっていなかった場合には、プラグにカーボン焼けなどの不完全燃焼が起こってしまうことになります。
プラグを交換するときに「焼けすぎ」「くすぶり」といった異常が見られている場合にはエンジンの燃焼になんらかの異常が起こっていることも考えられるので、交換前に状態をチェックすることも忘れないようにしましょう。
プラグの長さにも注意
もう一つプラグで覚えておいてもらいたいのが、先端のネジ部分の長さにも違いがあるということです。
プラグを選ぶときにはついもともとのネジ穴の径にあっているかどうかということだけが気になってしまうのですが、仮に同じネジ穴径のプラグであっても先端の長さが異なるものを使用するのは大変に危険です。
プラグはエンジンを動かすために先端部分に衝撃が当たるようになっているわけですが、この衝撃を与えるためのピストンが普通よりも長いネジのプラグを使用していると強く当ってしまうことになるので、異常燃焼が引き起こされてしまうのです。
スパークプラグは取り付け作業そのものよりも入れ替え時の品番選びの方が難しいということはきちんと覚えておきましょう。